初心者向け 習字・書道用の筆のおろし方~大筆は全部おろして使おう~

初心者向けの筆のおろし方_サムネイル画像

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こんにちは!たかあーるです。びもじとざん「毛筆編」(毛筆基礎編)です❗

今回は,筆を使うときに誰もが一度は疑問に思ったであろう問題,

筆はどこまでおろしたらいいの?

これを扱っていきたいと思います。

たかあーる

たかあーる

初心者向けに筆のおろし方を伝えていくね。

筆をどこまでおろすかについては,

  • 全部おろす。
  • 途中(3分の2とか,4分の3くらい)までおろす。

の2つの意見がありますね。

今回は,「初心者向け 習字・書道用の筆のおろし方~大筆は全部おろして使おう~」です❗

※特に初心者向けとなると,「こちらが正しい」というのはありませんが,私なりの意見として読んでもらえたらと思います。

結論を先に伝えておくと,

・初心者も筆は全部おろして使おう。

・全部おろさないと,筆の力を削いでしまう。

・全部おろした方が洗いやすくて手入れが簡単,だから長持ちする。

・全部おろすので,「小さめの筆」を選ぼう。

です。

それでは詳しく説明していきますね😄

1.筆を全部おろすか途中までおろすかの違い

筆は,

  • 全部おろす派
  • 途中までおろす派

に分かれます。

全部おろすのは,言葉の意味そのままで分かりやすいですね。

途中までおろすというのは,筆の根元の方を墨で固めたり,糸でぐるぐる巻きにして固めたりするものです。

一度は見たことがある人も多いのではないでしょうか。

筆のおろし方ののイメージ図,途中までおろすか全部おろすか
途中までおろす,全部おろす,のイメージです。

それぞれのおろし方にどんな特徴があるでしょうか?

これは簡単なようで実は厄介な問題があります。

それは,それぞれの特徴のの捉え方が「中級者以上と初心者とでは違ってくる」ということです😮

それぞれ詳しく見ていきましょう!

2.中級者以上は「全部おろす」のが基本

まず知っておいていただきたいのは,「中級者以上となると,全部おろすのが基本」ということです。

筆を全部おろすことのメリットは,

  • 細い線から太い線まで,表現の幅が広がる。
  • 墨を多く含ませられるので,滲みと掠れ(かすれ)の表現の幅が広がる。
  • 墨を多く含ませられるので,行書や草書で1文字~複数文字続けて書きやすい。
  • 手入れがラク。

といった感じです。

では,デメリットはというと,,,「特にありません!」

3.全部おろすと初心者にはデメリットも!?

全部おろすことにデメリットはないのに,どうして「途中までおろす」という考え方があるの?

たかあーる

たかあーる

初心者にはデメリットになることがあるからなんだよ。

まだ筆の扱いに慣れていない初心者にとっては,筆を全部おろすとデメリットがあります。

それは,

  • とにかく書きづらい!!

これに尽きます(笑)

筆は鉛筆やボールペンと違ってやわらかくて,慣れないうちは特に力の入れ方が難しいです。

初心者の場合には「墨をつけすぎてしまう」「細くなりすぎたり,太くなりすぎたりしてしまう」のです。

さらに,「それを気にして思い切って書けなくなってしまう」ということが起こります。

こういう問題を物理的に解決する方法が「途中までおろす」というものなんですね。

筆の根元を固めてしまえば,力を入れ過ぎても太くなりすぎることはなく,思い切って書けます。

要するに,筆に慣れていないと途中までおろした方が「書くのがラクだから」なんですよね。

途中までおろすというのは初心者が筆に慣れるまでの配慮で,「自転車の補助輪」みたいなものというわけです。

脱線雑談…

ちなみに私自身も,中学生になるくらいまでは途中までしかおろしていませんでしたし,それが普通なんだと疑いもしませんでした。

中学2年生くらいの時に,少年部→一般部に変わりました(一般部へ昇級)。

その時に先生が,

たかあーるの
先生

たかあーるの
先生

本当は全部おろして書くものなんだよ。

と言っていました。

当時の
たかあーる

当時の
たかあーる

え?そうなの?

洗うのもラクだしその方がよくね?

と思ってそれ以来全部おろして書くようになりました。

ある程度筆に慣れていたからだと思いますが,全部おろしても特に書きづらさなどはありませんでした。

ちなみに,この時先生が,

たかあーるの
先生

たかあーるの
先生

本当は落款(「らっかん」と読みます。書道塾で支部名とか級位,段位とか名前を書くことです)も大筆で書くんだよね。

と言っていたので,

当時の
たかあーる

当時の
たかあーる

え?そうなの?

わざわざ小筆洗わなくていいならその方がよくね?

と思って,それ以来名前も大筆で書くようになりました。

なんとも単純な思考ですね(笑)

話が脱線してしまいましたので戻します😅

筆の根元を糸でぐるぐる巻きにして固めたり墨で固めたりして使うと,色々な問題が出てきます。

  • 根本の方を固めているので,綺麗に洗うのが難しい。
  • 綺麗に洗うのが難しいので,根元の方でさらに墨が固まって筆が痛む。
  • 筆の一部しか使わない(使えない)ので,筆本来の力を発揮できない。
    (これは初心者のうちはあまり気にしなくていいと思いますが)

つまり,筆を途中までしかおろさずに使うというのは,表現の幅や手入れのしやすさを犠牲にしても,初心者が感じる書きづらさを減らそうというものです。

4.小さめの筆を使えば解決する

それなら結局,初心者はどうしたらいいのー?

となりますよね。答えは簡単です😄

たかあーる

たかあーる

小さめの筆を,全部おろして使えばいいんだよ👍

筆を途中までおろすのは,線が太くなりすぎてしまったりするのを防いで,思い切って書けるようにするのが目的でした。

それなら,,,

全部おろしても太くなりすぎないような,少し小さめの筆を使えばすべて解決❗

ですね。

これなら,

  • 力を入れ過ぎても太くなりすぎずない。
  • 墨を含む量が少ないので,つけすぎ,滲みすぎになりにくい。
  • 筆全部を使って書くので,本来の使い方が身に付く。
  • 手入れがラクで,筆も長持ちする。

おお!完璧ですね!

大きな字を書く時には,それ用の大きな筆を買うことになります。

でも,書きたい字の大きさに合わせた筆を使うのは基本ですよね。

それに,半紙などでは,それほど極端に大きさの違う筆が必要になることはほとんどないですね。

5.おろすときは水で綺麗に洗って筆掛けに吊るそう

「筆は全部おろして使おう!」ということでしたが,

具体的には何をするの?

そのままおろして書いていいの?

と思うかもしれません。

たかあーる

たかあーる

まずは水で綺麗に糊を洗い流してね。

これが最初です。

筆は糊(のり)でカッチカチに固められて売っていますよね?

(筆の選び方はこちらにありますので,よかったら参考にしてください。)

まずはこの糊(のり)を綺麗に洗い流しましょう。

洗ったら筆掛けに吊るすなどで,穂先を下向きにして乾燥させましょう。

乾けば準備完了です!

(筆掛けについてはこちらを参考にしてみてください。)

6.小筆はすべておろしてはいけない

筆はすべておろして使おう!とお伝えしてきました。

ひとつだけ注意して欲しいことは,ここまでの説明はいわゆる「大筆」のことです。

小筆は途中までおろして使いますので,

小筆も全部おろしちゃった!!

とならないように気を付けてくださいね。

小筆のおろし方と手入れの仕方は,改めて記事にしようと思いますので少々お待ちください。

7.まとめ

以上,「初心者向け 習字・書道用の筆のおろし方~大筆は全部おろして使おう~」でした。

この記事の結論を確認しておきましょう。

・初心者も筆は全部おろして使おう。

・全部おろさないと,筆の力を削いでしまう。

・全部おろした方が洗いやすくて手入れが簡単,だから長持ちする。

・全部おろすので,「小さめの筆」を選ぼう。

です。

全部おろした筆を使うと,最初は書きにくいと思います。

でも,人の「慣れ」って本当にすごいです。

すぐに慣れてきます。

最初は上手く使えなくて当たり前ですから,「上手く使えないこと」も思い出にするくらいの気持ちでやってみましょう!

まずは難しく考えず,書きたいように書いてみる,使ってみるのが一番大切です😄

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも参考になれば嬉しいです。

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